「施工物はいつか崩れる」というやり方から「生態系を復元させる」発想へ。

 

今までの登山道を直すときは「土木工事」の考え方が使われてきました。
規則正しい配置の階段が出来たり、コンクリートや石畳路面になったり、

およそ自然界に存在しない構造物が施工の主流でした。

               

     

 

 

ですが、それらが自然に受け入れられているかというとそうではないように見えます。

自然を成り立たせている、風邪が、水が、寒さが、また利用する人間が、施工した構造物を壊す働きをしています。

「土木工事とは自然と相反するもの」という雰囲気が出来、時間が経てば壊れてもしょうがない、という流れになっています。


ですが、施工後、崩れることなく自然が復元していく場所もあります。
施工物が崩れる施工と自然が復元する施工の違いは何でしょうか?
大雪山・山守隊は、その理由を観察し、理解し、実践していくことで、
自然に受け入れられる施工が実現できるのではないか、と考えています。
そしてそれを可能にする発想があります。

 

「近自然工法」という発想。
これは侵食を止め、生態系を復元させる考え方です。
「生態系の底辺が住める環境を復元させれば、おのずと生態系のピラミッドが出来上がる」という発想です。


自然に近い工法・・・自然界の構造物を理解し、その形を再現すること
自然に近づける工法・・・施工後、生態系が復元し、自然が再生していくこと


自然に合った施工が出来るとこういう感じに・・

 

大雪山・愛山渓での施工 2005年施工前               施工直後                    10年後