大雪山で起きている登山道の問題
~崩れていく道~
大雪山の「登山道荒廃問題」は深刻な状況です。
300kmあると言われる登山道では、いたるところで道が崩れ歩きにくくなり、土が流され、植物が減っています。
登山者は歩きにくくなった道を避け、植物の上を
歩くようになり、新たな侵食が始まります。
高山帯、樹林帯に関わらず、大雪山のほとんどの場所で
これらの侵食が起きています。
侵食原因は「豪雨などの気候が激しくなってきたから」
という声もありますが、それだけではありません。
地質を見ると、粘り強い表土の下には流水に弱い礫の層があります。崩れの激しい場所を観察すると、礫層を守ってきた表土が全くなくなっています。
ここ数十年の利用で表土が無くなった道が多くなりました。
礫が見え始めた場所は今までよりも侵食が加速します。
侵食は場所や進行状況によって様々な形で進んでいます。
複線化・・・歩きにくい場所を避けて新たな道が出来てしまう状態。
泥濘化・・・表土が崩れて溜まり、ぬかるむ現象。
実は表土を削っているのは私たち登山者です。